納車から530km走ったところで壊れました。SRAMの無線変速レバーが(笑)
シマノさんのDi2シフター、ST-6770は11年使っても壊れなかったのに、SRAMでは大当たりでございます。
工業製品は不良率との戦い。QC(クオリティ・コントロール)がいくらすばらしくても、トラブルが出ないわけではありません。
ワタクシ自身が不良品をつかんでしまったこと、それ自体はどーでもいいんです。まだ保証期間で無償修理をしてもらえるし、ブログネタもできたことだしw
問題はそこじゃありません。
フルワイヤレスの電動コンポでトラブルが起こると完全に詰むという教訓をえたこと。これが重要であります。
もう…電気的なものが壊れたらどうしようもありません。
SRAM eTap系の修理方法は、さっさとトラブル箇所を特定してパーツをまるっと交換する。これ以外にできることがないのです。
ということで、今回は「フ○ッキンスラム!」案件について。
右の変速レバーがアホになった時に試したトラブルシューティング。ワタクシRockmanがやったことをつらつら書いていこうと思います。

SRAM eTapのディレイラーが突然死した事例はネット上にそこそこあったね。でも、レバーのトラブルはあまり見かけなかったよ。これは結構レアなトラブルなのかな?真相はメーカーと代理店のみが知る…
納車4ヶ月目に発生したSRAM Rival eTapの変速不調
「よ〜し♪今日もエートスくんでお散歩ライドしちゃうぞぉ〜♪♪」
意気揚々と自宅を出発したワタクシRockman。
通常であれば、車体の振動とレバーの操作を感知してスリープ状態からすぐに目覚めるSRAM Rival eTapですが、その日はなかなか目覚めません。
右レバーをカチカチとクリックしても一向にシフトアップしない。
あぁ…この動作には覚えがあります。SRAM民にはおなじみのバッテリー切れです。
SRAMのワイヤレスコンポは、FD(フロントディレイラー)とRD(リヤディレイラー)のそれぞれに独立したバッテリーを装備。そのため、RDのバッテリー残量がないとリヤの変速命令を受けつけてくれないのであります。
前日にバッテリー残量をSRAM AXSアプリで確認していなかった己のアホさ加減を悔やみながら、対症療法としてフロント側のバッテリーと交換することにしました。(リヤさえ変速できればフロントは固定でもなんとかなる)
するとどうでしょう…
何も変化がありませんw
試しにフロント側を変速するためにレバーを両押ししてみると、リヤがシフトダウンします。
この結果から導きだされる結論は、バッテリーには問題がないということ。右シフトレーバの電池切れ、もしくはRDの不調という線が浮かんできました。

SRAM eTapの操作方法は、右レバーのスイッチでシフトアップ。左レバーのスイッチでシフトダウン。左右レバーのスイッチを両押しでFDの操作になります。きわめて優秀なUIで直感操作が可能。好き!
発生した症状を整理する
何事もトラブルが発生した時に焦っては負けです。ドツボにハマりますので。
とりあえず、原因を特定するために低速で走ってみて、確認できる症状を整理しました。
トラブル発生初期の状況
- 左レバーの操作(シフトダウン)は問題なし(正常)
- 右レバーの操作(シフトアップ)は反応がない(異常)
- 左右レバーの同時押し(FDの操作)ではRDがシフトダウンする方向で動く(異常)
低速で走って各部の動きをチェック
- 右レバーを5秒ほど連打するとシフトアップする(異常)
- 右レバーの反応が復活したところで左右のレバーを両押しするとFDが動く(正常)
- しばらくすると、また右レバーの操作を受けつけなくなる(異常)
- 右レバーを連打することで再び動作する(異常)
以下、これのくりかえし。
SRAM AXSアプリでコンポの状況確認
- RDが反応する時としない時がある(異常)
- 右変速レバーのボタン電池残量に問題はない(正常)

シフターで使われている電池はCR2032じゃ。パナソニック製品の電池もちが良くておすすめ
ディレイラー本体のボタンの反応
- RD本体のボタンを押すとシフトアップの方向に動く(正常)
- LEDは緑に点灯(正常)
原因究明
SRAM AXSのアプリにて、コンポの状況がどうなっているかを確認したところ、右レバーの電池残量に問題はありません。一方、RDは反応していません。
やはり、ディレイラーの故障でしょうか?
もはや出先では対処のしようがありません。20kmていど走って、その日は撤退することにしました。
・
・
・
自宅にてアプリを起動させて再び原因探し。
今度はRDが反応しています。しかし、シフトアップの操作に改善の兆しなし。
誰もいない部屋で「どうなっとんねん!?」とツッコミを入れたのは言うまでもありません。
ここまでの時点でやれることが2つあることに気づきました。
- ファームウェアのアップデート
- 再ペアリング
とりあえず、ファームウェアのアップデートからはじめます。
ファームウェアの更新をするが…
FDをver.2.49.1へ。RDをver.2.49.6へ更新完了です。
うん…なにも変わりません。
だめだこりゃ(笑)
ペアリングの再設定
最終手段の再ペアリングを試すべく、SRAMが提供している動画を見ながら作業を行います。
すると、どうしたことでしょう。
RD → FD → 左シフターと順調にペアリング作業をしていたところ、右のシフターが緑に点滅しません。
赤点滅だよ。王蟲のような攻撃色だよ!大海嘯だよ!!
なんど試してもこの状況から抜けられません。ペアリング不能。ここで詰みました。
結論:右の変速レバーが死んでいる!
スペシャライズド福島にて保証修理
右シフターの不調を購入店のスペシャライズド福島さんに連絡したところ、すぐに対応していただけました。
スタッフさんがチェックすると、どうもレバーのスイッチの感触がおかしいとのこと。
見立てどおり、右変速レバーの初期不良だそうです。
部品の取り寄せと組みつけにかかった日数は一週間ほど。現在は無事に納車してもらい、Aethosくんで元気に走りまわっております。
まとめ
シマノの電動コンポで11年ほど安楽な日々をすごしてきたワタクシに強烈な一発をかましてくれたSRAM Rival eTapくん。なんてお茶目でかわいいやつなんだろう(笑)
無線式の電動変速コンポはとても便利。煩わしいワイヤリングもなければ、ディレイラーの調整も基本的に不要。これを体験すると、「わざわざ紐式に戻れねぇな!」などと思ってしまいます。
しかし、ひとたび電動コンポに不調が発生すれば、個人の技量でパーツの修理は困難。ASSY(アッセンブリ)交換しないと復活はできません。
目視では点検のしようがない。発生するまでは正常に動作している。これで事前にトラブルの発生を察知するのは、無理 of 無理でございます。
こんな状況におちいらない機械式コンポのロードバイクも、今更ながらいいなぁ〜なんて思いました。
もはや、電動コンポのトラブルは事後の対策しかありません。
予測も対処も一切無意味。考えれば当たり前のことですが、笑うしかありません。
わずかなトラブル率のためにディレイラーやシフターの予備を持ち歩くのは、現実的な選択とはいえない。
もし電動変速のコンポでトラブったら即時撤退しつつ、購入店に相談する。これしかありません。
今後、SRAMのコンポでどんなトラブルに見舞われるかわかりませんが、その度にネタにしていこうと決意を新たにするRockmanでした。

eTapの予備バッテリーが欲しいんだけど結構するんだよね…
コメント