PR

【シマノに電凸】インナートップがNGでアウターローがOKな電動コンポの謎を聞いてみた

ロードバイク

電動コンポのユーザーには広く知られている、トップギア2枚の使用制限。

E-TUBEで制御プログラムをいじらない限り、10速と11速のギアでインナーを選択することはできません。

自転車コンポーネントの世界的メーカーでもあるシマノがデフォルトで設定した理由…。ロード乗りなら、なんとなく理解できます。

なぜなら、チェーンラインがななめになってしまう「インナートップ」の使用は、できるだけさけるべき組み合わせとして常識だからです。


/ アウターローのたすきがけ \

「たすきがけ」と呼ばれるこの組み合わせ。チェーンやスプロケットの偏摩耗はもちろんのこと、抵抗も増えて効率が悪い。ついでにチェーン落ちやリアディレイラーへの負担にもつながります。

そこで出てくる疑問が1つ…

アウターローが制限されない理由はなんぞや?

( ゚Д ゚)??

チェーンが斜めになる「たすきがけ」を制限したいのなら、なぜアウターローの組み合わせも封印しないのでしょうか?プログラムで制御しているだけなんだから、簡単に設定できるだろうに…。

というわけで、シマノのお客さま相談室に電話で聞いてみました。

スポンサーリンク

電動コンポのギア制限はチェーンテンションが大きな理由

疑問を持ったきっかけは、おなじみPAX キクちゃんのツイートから。

旧型のアルテグラ 6770や6870の電動コンポでは、ギアの使用制限なんてありません。ところが、R8050になってインナーとトップ2枚のギアがデフォルトで使用できなくなりました。

コンポメーカーがたすきがけを制限したいというのはわかるのです。ではなぜ、アウターローでは制御が入らないのでしょうか?気になりますねぇ〜。

そして、さらにもう1つ。

シャドー化した電動コンポでのみ、ギアの使用が制限される理由は何なのでしょうか??

教えて〜シマノ先生!

インナートップの組み合わせが制限される理由

Rockman
Rockman

電動コンポのギア制御について教えておくんなまし。

シマノ
シマノさん

はい、どうぞ。

 

シマノさんのお客様さま相談窓口(ナビダイヤル)「0570-031961」へ、レッツ電凸であります。

まずは、インナートップのギアが制限されている理由を聞いてみました。



Rockman
Rockman

電動コンポでインナートップの組み合わせが制限されている理由はなぜですか?

シマノ
シマノさん

チェーンテンションが緩くなるからです。

 


/ 禁断のインナートップ! \

予想していた通りの見解。

やはり、小さいギアを組み合わせる「インナートップ」は、チェーンテンションがだるだるになるからNGとのことでした。

シャドー化したことでSS(ショートケージ)でも30TのでかいスプロケがつくようになったR8000シリーズ。チェーン落ちしたりフレームに接触する可能性を考えると、コンポメーカーが封印したのもなっとくであります。

同じたすきがけのアウターローが制限されないのはなぜ?

Rockman
Rockman

電動コンポでアウターローが制限されない理由はなぜですか?

シマノ
シマノさん

チェーンテンションがシマノの規定内なので制限はしていません。ただ、アウターローはあまり使ってほしくない組み合わせではあります…。

 


/ アウターロー \

でかいギア同士のアウターロー。インナートップの逆で、チェーンテンションはパツパツです!

 


/ ヒギィ〜!さけちゃう \

この状態だとリアディレイラー(RD)に負担がかかってぶち壊れる確率が高くなりそうですが、この使い方はシマノの想定内。チェーンテンションが規定内だから使えるとの見解でした。

でも、

あまり使わない方がいい…

ということも言われました。

まぁ、当然ですわな。チェーンラインはまっすぐが基本。ななめになる「たすきがけ」のラインでいいことなんぞ1つもありませんから。

常用するのではなく、レースなんかで一瞬だけアウターローを使う場合は、OKということなのでしょう。

(; ゚∀゚).。oO(普通に走る分にはアウターローなんて使う機会はほぼないよねw その前にインナーに落とすことが習慣になっているもの)

旧型の電動コンポでインナートップが制限されなかった理由

Rockman
Rockman

旧型の電動コンポでインナートップが制限されなかった理由を教えてください。

シマノさん
シマノさん

RDのキャパが違うからです。R8050は旧型とスラント角が異なります。

 

なるほど!

うなずきたくなる回答でございますな。

ところで、シマノさんの回答で出てくる『スラント角』とはなんぞや?疑問に思う方もいるでしょう。


スラント角(slant angle)とは、リアメカのパンタグラフがストロークする角度のことを意味します。

ちなみに、ロードバイクのスラント角は30度。ワイドギアのMTBは45度が一般的です。当然ですが、ローギアの歯数が多いMTBの方がスラント角が深くなります。

ところが、30Tまで対応したR8000シリーズのスラント角が今までと同じ30度ということはありえません。なにせ、MTBなみにワイドなギアを許容してくれるんだから。

R8000シリーズのスラント角を海外サイトもふくめて調べてみましたが、「Optimized slant angle(最適化されたスラント角)」と表記されるだけで、何度なのかわからんのですw

おそらく、45度とはいわないまでも、それに近いスラント角になっているはず!たぶん(笑)

角度が深くなったことに対応するためのリアディレイラー制御。なっとくしました。

まとめ

  • インナーとトップギア2枚の組み合わせは、チェーンテンションが緩みすぎるから制限する。
  • アウターローはチェーンの張りがシマノの規定内だから使える。ただし、あまり使わないでほしい。
  • R8050は旧型電動コンポよりもスラント角が深くなっているため、インナーとトップ2枚の組み合わせを制限した。

シマノさんから聞いたことをまとめると、このようになります。

機械式コンポだと、コンピュータでインナートップを制限することはできません。R8000やR9100のメカを愛用されている方は、なるべくインナートップは使わない方がいいでしょうね。

スポンサーリンク
ロードバイク
スポンサーリンク
Rockmanをフォローする
スポンサーリンク
X-body

コメント

  1. VAN より:

    アウターローはともかく、インナートップを使う機会ってあります?
    平坦は基本アウターですし・・・
    E-TUBEで制御プログラムを変更すなら、シンクロシフト位かと

    にしてもリアが12-25Tが漢ギアって10年位前はむしろワイドでした。
    それ以上前になるとフロントもインナー42でリアは23Tが一番軽いギア
    と言う時代もあり、それですとコンパクトクランクアウター50のリア30T
    より重いギアと言うことに・・・
    それで登りを走っていたと思うと、昔の人は凄いですよね。

    ちなみに、5年近く乗っていない知人のバイクはノーマルクランクでリア12-25T。
    全盛期の時は超人でした。

    • RockmanRockman より:

      >VAN 様
      アウターローもインナートップも使う機会はないですね。
      ロード歴は10年になりますが、この組み合わせができなくて困った経験は一度もありません。

      フロント42Tのリア23Tですか!(゚o゚;;
      ギア比が1.83だから、セミコンパクトのインナー36T×19Tとほぼ同じwww
      これでゴリゴリと峠をのぼっていた昔の人は、豪脚ですね。

      ノーマルクランクに12-25T…。
      セミコンパクトやコンパクトクランクで慣れた人なら、ヒルクライムがより苦行になること間違いありませんね(笑)