AG2R(UCIワールドチーム)が2014年からテストしていた、スラムのワイヤレス電動コンポ(SRAM RED ETAP)の市販版がついに発売されました。
ロードバイクのコンポ※1. は、「シマノ(日)」「カンパニョーロ(伊)」「スラム(米)」の三つ巴の戦い。
電動化の波に乗り遅れたスラムは、2社の後塵を拝していましたが、ここへ来て一気に巻き返しを図っています。
そんなワケで、今回はスラムから新登場するワイヤレス電動コンポに関する考察。SRAM RED ETAPのメリット・デメリットについて考えてみたいと思います。
(; ゚∀゚).。oO(ロードは新しい規格がどんどん登場するから旧型になると部品供給が辛い)
※1.コンポ
コンポとは、コンポーネントの略。
「構成要素・部品・成分」を表す名詞。自転車のクランク・ギア(変速機)・ブレーキなどの部品を意味する。
無線式は電動コンポの主流となるか!?
我々ロード乗りのワクテカが止まらない、スラムのワイヤレス電動コンポ。
一体、何が凄いのか!?
それは・・・
ワイヤレス!
( ゚д゚)ポカーン
ピンと来ないですか?
シマノやカンパで採用されている電動コンポは有線接続。すなわち、フレーム内部にシフトを制御するワイヤー(ケーブル)が張り巡らされています。
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電動式コンポのロードバイクを組み立てる際に面倒なのが、ワイヤリング。(電気配線接続)
粗悪なフレームになると、フレームの内部構造で断線したり取り回しが制限される場合があります。
そんな悩みがワイヤレス式なら一気に解決♪これは、ロードバイク界にインパクトを与える革新的技術なのです!
( ゚∀゚).。oO(面倒な配線処理がないからD.I.Y.派も調整が楽ちん♪)
SRAM RED ETAPの外観
う~む。
ロードバイクの全体像では、よく分からんですな。
もっとズームアップしてみましょう!
ハンドル周り
ワイヤレスだけあり、ブレーキケーブル以外のワイヤーがありません!
(当たり前だw)
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シマノの電動コンポDi2には、ステム下に赤丸で囲まれた「ジャンクションA」と呼ばれるパーツが必ずつきます。
スラムの無線コンポETAPなら、そんなパーツも必要なし。ロードバイク本来のシンプルで美しい構造が際立ちます♪
↑↑
Di2乗りはお馴染みのジャンクションA。充電やPC接続で欠かせない部品。
ETAPのバッテリー
前後のディレイラーは、それぞれバッテリーが必要な構造。
走行可能距離は、およそ1000km。実際の走行可能距離は7割~8割程度と考えると、500km以上走行したらバッテリーの充電を行った方が良さそうです。
シマノのDi2バッテリーより容量は小さいけれど、前後ディレイラーのバッテリー規格は共通なので使い回しが可能。
予備バッテリーを一つ携帯しておけば、300kmを超えるロングライドでも、比較的安心です♪
変速命令を入力するシフターも電気が必要ですが、こちらはCR3032のボタン電池で駆動するようです。
(; ゚∀゚).。oO(ETAPは45分で満充電!シマノのバッテリーは2~3時間かかるからその点は羨ましい)
無線式のメリット
- 組み立てが楽
- ケーブルや補機類がない美しい外観
- サイクルコンピューターとの同調
主に考えられる無線式電動コンポのメリットは、上記3点。有線接続式の電動コンポでは得られないメリットです。
組み立てが簡単でシンプルな外観
無線式のメリットは、ケーブルが存在しないことによる外観的美しさがメリットとして頭に浮かびます。
しかし!
ワイヤレスシステムの真価は、何と言っても組み立ての容易さ!!
これに尽きます。
先ほどもちらっと説明しましたが、ケーブル内蔵タイプは組み立てが非常に手間!
Rockmanの愛車である、KOGA Kimera Di2。
WIDYの寅さん(土浦のショップ)は、ワイヤーの通し方に頭を悩ませながら作業を行ったようです(笑)
でも、ETAPならポン付けでOK♪
ディレイラーとシフターの同期設定は30秒しか掛かりません!
これは楽ですぞ♪
と言うことは、自分で一から組み立てを行うD.I.Y.派が一番メリットを享受できるということです。
( ゚∀゚).。oO(プロショップも作業時間を短縮できるから嬉しいね♪)
GARMIN Edge520との同期
ワイヤレスコンポならではの新機能。
GARMIN Edge520と同期できるのが素晴らしい!
電波を拾ってサイコンに変速データが表示されるので、今現在何速に入っているのか、一発で分かります。
これは、個人的に羨ましい機能です。
( ゚∀゚).。oO(スーパースポーツ系のオートバイに乗ったことがある人は、シフト表示の便利さは分かるよね?)
無線式のデメリット
- 価格が高い!
- 混線が心配!
- 雨天使用でのリスク!
価格が高い
何と言っても、価格の高さがデメリットの筆頭。
ETAP専用パーツの価格がUSドルで$1,660。1ドル¥120とすると、およそ20万円。
メカニカルパーツが別途13万円かかるので、トータルで30万円半ばの価格となります。
既存の電動システムでも十分優秀なので、よほどSRAMが好きな方以外は様子見の姿勢を取ると思われます。
ワイヤレスシステムならではのトラブル
ワイヤレス・システムで、まず考えられるトラブルなのが混線。
そして、システムの乗っ取り。
メーカー側は「対策万全!」とアナウンスしていますが、自動車のハッキングが話題になる昨今・・・。
走行中に変速プログラムを変更されたり、ジャミングされたら嫌ですなぁ~。(リスクは低いけど)
2つ目に考えられるトラブルは、バッテリー接続部分の不具合。
防水・防塵用のゴムパッキンの劣化は、どうしても避けられません。
また、個体差(接続部のクリアランス)による異物の進入は、トラブル率高めのリスク…。
十分テストは重ねているのでしょうが、電子パーツは総じて繊細です。汚れが付着しやすいディレイラーにバッテリーがむき出し状態なのは、大なり小なりトラブルの予感がします。
まとめ
これだけ小さな部品にワイヤレスシステムとバッテリーを組み込んだ技術力は凄い!当然、シマノやカンパもワイヤレスの研究はしているので、今後の商品展開が楽しみです。
日本導入に際して電波法が気になりますが、その部分は現在不明。詳細が分かり次第、当ブログでもロードバイクネタとして書いてみたいと思います。
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コメント
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