バキッ!
(; ゚д゚)ヤッテモウタ!
六角穴付きボルト(キャップスクリュー)をしめている最中に嫌な音がして青ざめた経験はないだろうか?
Rockmanは何度かあります(笑)
ネジ系トラブルの定番である「なめ」もやっかいですが、ボルトのねじ切りは対応がとてもめんどくさい!
頭が飛び出ているのなら「ネジザウルス」でリカバーできる場合もあるけれど、つかみしろがない場合はエキストラクターで対処するしかありません。
( ゚∀゚).。oO(リカバー中にエキストラクターが折れると、さらなる地獄がまってるよwww )
品質不良によってボルトが折れる場合も当然ありますが、ねじ切れる多くの原因はオーバートルクによるもの。
降伏点(元の形にもどる限界点)をすぎてもなお力をかけ続けたことで、ボルトが耐えられなくなり破断という結果をまねきます。
今回のブログは、ロードバイクの整備中にやってしまう可能性が高いネジトラブルに関するエントリー。
カーボン製ロードバイクを愛用する方は特に必要になる、トルクレンチについて、ネタを書いてみようと思います。
( ゚∀゚).。oO(おれら素人が自転車整備する際は絶対に必要!)
トルクレンチ必須!カーボンパーツの破損とボルトのねじ切りを防ぐのに役立つ工具
トルクレンチとは、所定のトルク(力)でネジを締めるために用いる作業工具の名称。
ネジは用途別・サイズ別で許容トルクが決まっているため、適切な力で締めるにはトルクレンチが必要になります。
身の回りの製品全てを厳格に管理する必要はありません。しかし、人命を乗せて走る機械(乗り物)は、トルク管理をおろそかにできません!
ネジの締めつけ不足による部品の脱落。
ネジの締めつけ過ぎによる部品の破損。
ネジの締めつけ云々で命が散ってしまう場合も少なくないのです。
(; ゚∀゚).。oO(悪名高い三菱ふそうの「空飛ぶタイヤ」事件もボルトの締めつけによるハブの破損(ハブの強度不足)が原因の一つだったね・・・)
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乗り物の中でも、カーボン(CFRP)を多用するロードバイクは、トルク管理がとてもシビア。
炭素繊維は鉄と比較して1/4の比重ながら、比強度は10倍以上。比弾性率は5倍以上という、非常に高い力学的特性をもっています。
ガッ!
カーボンは外部から一点集中の「力」がかかると、一気に破断する性質があります。
それすなわち、カーボンパーツを多用するロードバイクは、設計で想定してない衝撃やボルトの締め過ぎにはとても弱いということであります。
(; ゚∀゚).。oO(激しい落車とオーバートルクはカーボンフレームにご法度!)
トルクレンチの種類
トルクレンチと一言にいっても種類や特徴はさまざま。お値段もピンキリです。
シグナル式には、「プレセット型」と「単機能型」。直読式だと、「ビーム型」「ダイヤル型」「デジタル型」なんてものがあります。
まぁ、工具に興味のない方は覚える必要はありませんね(笑)
とは言っても一つだけ覚えておいてほしいことがあります。
それは、ラチェットタイプのトルクレンチ(写真上)は、定期的なメンテナンス※1.が必要だということ。
素人の使用頻度で一年ごとの校正は疑問を感じるけれど、ラチェットタイプは使い勝手が優れている分、メンテやコストに手間がかかることを理解してください。
( ゚∀゚).。oO(数千円で買える激安のプレセット型トルクレンチは狂いやすいからおすすめしないよ!逆に写真下のビーム型はかさばるけれど安価で狂いも少ないよ)
※1. トルクレンチのメンテナンス
工具メーカーのKTCは一年ごとのメンテナンス(校正)をすすめている。
ロードバイクのトルク一覧
ここで、ロードバイクに使われているボルトのトルク一覧表をご覧ください。
下の表を見ると、赤で表記した項目以外はすべて12Nm以内でしめられています。ということは、日常の軽整備で使うトルクレンチは、12Nmまで測定できれば十分ということです。
シマノ | カンパ | スラム | |
---|---|---|---|
ブレーキレバー固定ボルト | 6~8 | 10 | 6~8 |
ブレーキケーブル固定ボルト | 6~8 | 5 | 6~8 |
ブレーキ固定ナット | 8~10 | 10 | 8~10 |
ブレーキシュー固定ボルト | 5~7 | 8 | 5~7 |
リアディレイラー固定ボルト | 8~10 | 10~12 | 5~7 |
リアシフトケーブル固定ボルト | 6~7 | 5 | 5~7 |
フロントディレイラーバンド止め | 5~7 | 5 | 4~5 |
フロントディレイラー直付け | 5~7 | 7 | 5~7 |
フロントシフトケーブル固定ボルト | 6~7 | 5 | 5 |
BBカップ | 35~50 | 35 | 34~41 |
クランク固定ボルト | 12~14 | 42(パワートルク) | 48~54 |
スプロケットロックリング | 30~50 | 40 | 40 |
ハブロックナット | 15~17 | 15 | – |
ペダルシャフト | 35~55 | 40 | 47~54 |
ハンガー下ケーブルリードボルト | 3~4 | 3~4 | – |
ハンガー下ジャンクションB固定ボルト | 1.5~2 | – | – |
シマノ | カンパ | スラム | |
---|---|---|---|
ステムのフォークコラムクランプボルト | 5~8 | – | – |
ステムのハンドルクランプ4本ボルト | 5~8 | – | – |
ステムのハンドルクランプ2本ボルト | 7~8 | – | – |
ステムプレッシャープラグボルト | 3~4 | – | – |
ボトルケージ固定ボルト | 1.2~1.5 | – | – |
( ゚∀゚).。oO(クランクやホイールをバラさない限り、低トルクの工具で十分整備できるね♪)
※2. パーツによって固有のしめつけトルクが表記されているものもあり。かならず指定トルクにしたがうこと。
安くて使えるトピークの簡易型トルクレンチ
Rockmanがロードバイクの整備で使っているトルクレンチは、自転車グッツでお馴染みのメーカー、TOPEAK(トピーク) のコンボトルクレンチ。
簡易式ながら、12Nmまでのしめつけトルクに対応しています。
クルマやオートバイをいじっていたころは東日のプレセット型を愛用していました。でも、ロードバイクのトルク管理ならこれで十分です。
( ゚∀゚).。oO(プレセット型の良いトルクレンチは2万円くらいするけど、トピークの簡易型トルクレンチは2千円とお手ごろ♪)
コンボトルクレンチの使い方
使い方はいたって簡単!クリアケースに入っているビットを先端に取りつけてしめるだけ。
上部のクリアケースには、3~6mmの六角ビット。そして、T25のトルクスが入っています。
キメラのシートポスト締めつけトルクは、5~7Nm。5mmの六角ビットを使用します。
最低トルクの5Nmで十分。不安な方は、6Nmにしても良いでしょう!
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TOPEAK(トピーク) のコンボトルクレンチは、軸のねじれを目盛りで読む原始的な構造。ラチェットタイプのようなメンテナンスは全く必要ありません。
2千円ていどの投資でロードバイクの破損が防げるのなら、相当高いコスパです。
まとめ
Rockmanの知人の中には、てきとうにトルク管理をしていたせいで、FSAのカーボンシートポストをわってしまった人物がいます。
2千円の投資をケチって2万円オーバーのパーツを壊したのでは、笑うに笑えません。
カーボンパーツはもちろんのこと、金属パーツに対しても適正トルクで管理されたロードバイクは安心感が違います。
パーツ交換やポジション調整など、あるていど自分でやってみたいD.I.Y.派には、トルクレンチの購入を強くおすすめしたいRockmanであります!
( ゚∀゚).。oO(ロードバイクのいじり方にもセオリーがあるよ!最近買った整備系ノウハウ本の中では下の本が分かりやすかったよ)
コメント
今回は工具ネタですか。トルクレンチたる物を知ったのは、クーラー屋でバイトしてた頃です。銅管をナットで締める時に使ってました。自転車の整備に使っているか?と聞かれたら、使ってないですね~。ってか持ってないです。その内、買わなくては、と思っていた所でございます。トピークのトルクレンチはノーマークでした。BB周りやクランクなんかは、ショップ任せなんで、他の所、充分、これで事、足りそうですね。給料入ったら、注文だ、(2000円も、すぐに用意出来ないか~い!車購入でこずかい減らされたりしたもんで・・・)
>takuzo 様
確かに熱伝導率が高い銅管は柔らかい素材なので、トルクレンチは必須ですね。
自転車にはさすがに銅を使っている部分はないと思いますが、トルクレンチ一本持っていると何かと役に立ちます。
プレセット型と比較すると使い勝手は落ちますが、買って後悔することはないと思います。
ぜひ、お給料が入ったらポチってみてください♪(・∀・)
工具ってけっこうなお値段するしそのわりには自分で整備する割合は少ないから工具は買わすにプロにお任せする事にしです(-_-;)
> カディエ先生 様
そんな割り切りも当然有りです。(´∀`)b