スバルのドル箱カー、フォレスターがフルモデルチェンジして5代目に生まれかわりました。
今回の新型は、GT/GK型インプレッサで採用された次世代プラットフォームが横展開されたモデル。現行型インプレッサの乗り味がめちゃくちゃ良かったので、旧型よりも安全・快適な車になっているという確信が試乗前からありました。
現行型インプレッサのネタ
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実際に試乗してみると、それはそれは良い車でしたよ。
絶妙なチープ感が漂っていた初代や2代目をよく知っている者からすると、「どこの高級車だよwww」と突っ込みたくなるほどに…(笑)
しかしながら、それと同時にわきおこる一抹の寂しさ。
(´・ω・`)ショボーン
これはあれだ…子供のころによく遊んでいた幼馴染が起業して社長になって上場した的な。なんというか、記憶のおくそこにいるあいつが遠い存在になってしまったかのような…自分だけ置いていかれたような寂しさをおぼえてしまうのであります。
それは、新型のカタログからも感じとれるのですよ。
新型フォレスターのカタログをめくった時に感じた強烈な違和感。そいつを確かめるために旧型SJフォレスターのカタログと比較してみたら一目瞭然でした!
というわけで今回のブログは新型フォレスターについて。
カタログから感じた違和感と、そうならざるを得ない自動車を取り巻く環境についてツラツラと書いてみたいと思います。
(; ゚∀゚).。oO(オタ濃度が高く親しみやすかったフォレスターはもう過去の存在なんや…)
キラキラファミリーへ顧客転換!フォレスターが進まざるを得ない新型の方向性
最近、よく目にするようになった新型フォレスターのTV CM。「家族と冒険」というテーマをかかげた爽やかなCMですね♪
この動画から…
- 優れた安全性
- 優れた走破性
- 運転のたのしさ
スバルが売りにしている3つのキーワードが読み取れます。
一方、おれら古いスバルオタが慣れ親しんだ2代目フォレスターの意識低い系 CMがこれ…w
いすゞのジェミニをちょっと意識しているかのようなヒャッハーCM(笑)
イヤッーhahaha!と叫びながらドーナツターンしまくりの様子をみると、精神年齢8歳のおれらはマネしたくなります♪
30秒ほどのコマーシャルメッセージですらこれだけ方向性の違うフォレスター。明らかに想定している客層が今までとちがうことのあらわれでしょうな。
新型フォレスターのカタログから感じた違和感
それではさっそく、Rockmanが強烈な違和感を感じた新型フォレスターのカタログを見ていきましょう!
カタログは旧型のものよりもお金がかかっている印象。表紙は光沢のある紙を使っており、かなりハイグレードな自動車という印象を受けます。
まぁ、アウトドアを全面に押し出した雰囲気の構図は旧型の表紙とあまりかわりません。
ガッ!
中身の構成が全然違うんですわ…。これがッ!
新旧カタログを比較してみる
【新型】
- Driving
- Safety
- Challenge
- Quality life
- Partnership
- Smile
なんか…のっけからとても意識高いページがきましたぞ。
地方営業で小銭を稼ぐ中堅コンサルが、よくわからん横文字を使って「ええこと喋ったったw」的に煙にまくスタイルに見えてしまいます。知らんけど(笑)
【旧型】
世界五大陸 10万キロ 完全追跡!
スバルオタからすると10万キロという単語の響きは、ちょっと特別。1989年に初代レガシィが当時の10万キロ世界速度記録(地球2周半を19日間で走りきる)を塗りかえるためにチャレンジした記憶を思い起こします。
- 本物のSUVたる証明をするため
- 走ることの愉しさを極めるため
- いかなる道も安全に走れることを約束するため
これは実証であり、夢への挑戦だ。という一文で調教されたスバリストは『フォレスターすごいンゴ!』となってしまいますなw
【新型】
いやぁ〜、キラキラした幸せファミリーの写真がてんこ盛りですなぁ〜。
なにこれ…涙が出そう…
( ;∀;)ブワッ
【旧型】
- 優れた重量バランスと圧倒的な低重心。シンメトリカルAWD
- 走破性を高めるX-MODE
- 高剛性ボディ
- 唯一無二の気持ちよさ。水平対向エンジン
- 磨き抜かれた走りの基礎。SI-シャシー
技術解説書?ってくらいに前半から怒涛(どとう)のメカ説明が入る旧型のカタログ。
あぁ…これだ…オレが見慣れたスバルのカタログはこれだ…w
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ちなみに、今回の新型で売りにしているスバルグローバルプラットフォーム(通称:SGP)の解説がこれ…。
ふわっ♪とした説明で、なんというか内容がありません。構造も全く分かりません。
スバルの解説としてあるべきものがないと、すさまじい違和感を感じます。
(; ゚∀゚).。oO(スバルが売りにしている水平対向エンジンの説明も内容がすごく薄いよ!エンジンのことを気にする顧客は燃費を気にする顧客の1/10もおらんだろうから、これでいいんだろうけど…)
フォレスターを売りたい相手がヲタから一般ファミリー層へ変化した
このように、さらぁ〜っとカタログを見ただけで、フォレスターをアピールする客層がガラリと変わったしまったことが理解できます。
もはや、おれらになじみ深いEJ20ターボエンジンで武装したあいつは、ここにはいません。
最高出力280馬力/最大トルク350Nmというアクセルひと踏みで後続車をミラーの点にしてきた韋駄天は違う世界にいってしまいました。
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これからフォレスターに乗るのは、自然環境の保護や車の安全性能に高い関心を示すインテリ層。年収600万円以上で休日は家族とアウトドアを楽しんでいるような幸せファミリーに支持されることでしょう。
うん…すごく大人になったね!新型フォレスターくん(泣)
フォレスターにターボがない理由
カタログの構成が旧型と全然ちがう!ターゲット層が変わってしまったぁ〜!という内容を書いてきましたが、これも世の流れ。しょうがないと言ったらしょうがないんですよ…。
そもそもフォレスターにハイパワーのターボエンジンをのせること自体、ちょっと現実的ではありません。
それはフォレスターのハイパフォーマンスモデルを選ぶユーザーが1割以下だったということもありますが、自動車メーカーに求められている要求が優れた環境性能に変わってしまった点が挙げられます。(もちろん安全性も重要だけど)
国土交通省・経済産業省の資料の通り、今はいかにCO2排出量を少なくするか。いかにクリーンな排ガスにするかが自動車メーカーにとっての課題です。
自動車メーカーは、燃費の悪い車を作ることが非常に難しい状況にあります。それは企業平均燃費方式(CAFE方式)というものに縛られているから。
生産する車の多くを燃費の良い車にし、逆に燃費の悪い車をなるべく少なくしないと、この基準を達成できません。
WRCで勝つために磨かれてきたスバルのAWDやターボの技術は、もはやごく一部の好き者にしか求められていない現実…。
スバルの大多数のお客様が求める車は「安全」で「安心」できる車に変わってしまいました。アイサイトを搭載し、雨や雪でも安定して走れる車というのが市場の答えなのです。
とても悲しいことですが、オレらが大好きなAWD + ターボエンジンのバカッ速いモデルは今後もどんどん縮小していくことでしょう。
まとめ
旧型よりもボディが拡大したことで、積載能力がさらに増した新型フォレスター。荷室寸法をチェックする限り、ロードバイクでも余裕で載せることができるでしょう。
新開発のFB25直噴エンジンは必要十分なパワーを与えてくれるし、新型プラットフォームの恩恵によってワンランク上の車に成長したことが感じられるはずです。
この性能であれば、大多数のユーザーに受けいれられることになるでしょう。
車好きおじさんとして一抹の寂しさを感じてしまいますが、これも時代の流れと思って受け入れることにしましょうか…。
( ゚∀゚).。oO(刺激はないけどファミリーカーとして欠点なし!ものすごく良い車だと思うよ)
コメント
スバルに限らず、最近の(特にフルモデルチェンジ)車の販売戦略に何となく感じていたモヤモヤがいきなりスッキリしました!
カタログからのアプローチ…お見事。
70年式のおっさんの戯言でした〜。
>通りすがりのおっさん 様
はじめまして。
コメントありがとうございます。
当エントリーに共感していただけて、とても嬉しいです。
今の情勢では昔のような車作りは困難…。運転する楽しさよりも燃費という流れはこの先もず〜と続くでしょうね。
個人的に燃費が良くても直噴の車は避けたいのですが、新車の場合は選ばざるを得ません。長く車を乗りたいと思っているユーザーにとって、クルマ選びはどんどん難しくなりそうです。^^;
フォレスターは元々がインプレッサ グラベルEXの派生なので、
最初を知る人からすると3代目がこれじゃない感満載です(^^
ちなみにSG9でのドリフトは迫力ありましたよ。
いまはXVがある以上、それよりSUVに振る必要があるので
SJからは中々良いと思います。
しかし仰るようにカタログは少し寂しいです。
GC8の時もひたすらメカニズムのことだけでしたから(^^
あとサンバーには後部座席にヒータダクトがありました。
エアコンではないのがポイントw
>van 様
フォレスターで唯一、3代目だけ乗ったことがないので、これじゃない感を味わってみたいです(笑)
スバルのマニアックだったカタログがキラキラ系になってしまったのは時代を感じますね…。
スバリストの牙城、WRX STIだけは濃い目の路線で行って欲しいのですが、如何せん今のモデルは手を出しにくい価格帯。
受注生産で構わないので、昔のSPEC-Cのような廉価版が欲しいです!
サンバーの後部座席にヒーターダクトなんてあったんですか!?
さすがリヤエンジンレイアウト。真夏は地獄ですねwww ^^;
大丈夫!
きっとSTiがターボモデル出してくれるさ
たぶん…
>カディエ先生 様
2代目SGフォレスターの2.5lターボの再来を期待したいところ。
まぁ、今リリースされても500万円近いプライスになると思いますが…(白目)
サンバーのリアヒーターダクトは当然ながらスイッチが稼動しますので
夏場はスイッチオフにすれば問題ないです。
>van 様
ですよねw
ただ、クーラーなしの車両は今のご時世では乗りたくありませんね。^^;
見ましたよ新型、試乗はしてませんが・・・内装かなり良くなりましたね、あのチープ感もよかったのですが・・・
新型はターボが無くなるという事で駆け込みが結構あったとか。先日、20歳前後位の男性の車談義を耳にしたのですが、内容は燃費の話がメインで、あっちの方がこっちの方がいいとかでした。自分達の頃は、ゼロヨンや馬力の話がメインでしたね。話は変わりますが、ロードバイク注文しました。色々悩んで、18モデルのニールプライドのゼファーになりました。Kawasakiのバイクではありません。
>takuzo 様
新型ご覧になりましたか!あれはフォレスターとは思えないほど良い内装ですよね。(^^)
ひと昔前のスバルの内装は総じてチープ。しかし、個人的にスニーカーのように使い倒せるカジュアルさが好きでした。
旧型のターボモデルはおっしゃる通り駆け込み需要があったようですね。中古車価格も最近は上昇傾向のようです。
車談義で燃費とは…なんというか、時代の流れを感じてしまいます(汗)
ロードバイクを注文されたのですね♪おめでとうございます!
ゼファーの乗り味は評判いいですよね。納車されたらガンガン乗ってあげてください♪