金銭感覚崩壊症候群
(きんせんかんかくほうかいしょうこうぐん)
ロード沼の住人になると、もれなく発症する不治の病。
ハイエンドモデルの自転車、および高級パーツからの接触感染が多く確認されています。(視覚感染の報告もあり)
この病気の恐ろしいところは、感染者の多くが自覚症状を感じず末期にいたるところ…。
安い!
安い!!
安いッ!!!
「この性能なら安い♪」(^q^)
恍惚(こうこつ)の表情でLightweight(ライトウェイト)のホイールを抱きしめるようになったら、ご家族をよんでください。
すでに末期症状です。
この状態になった患者さんは、長年に渡る脳の侵食で諭吉さんとティッシュペーパーの区別がつかなくなっています。
いやぁ~怖い病気ですねぇ~。
(・∀・).。oO(かく言うわたしも感染者でね…)
というワケで本日のブログネタは、自転車好きになるとだんだんおかしくなる金銭感覚について。
自分がおかしいのか?
それとも世間の感覚が異常なのか??
ふとした瞬間に「己の尺度」がわけ分からんことになっていると気づいたワタクシ…。
物の価値基準について思うことを、つらつら書いてみようと思います。
35万円の一部商品の価値に違和感を覚える
【2016年モデル新発売のご案内】
昨年の東京モーターショーで注目を集め多くのお問い合わせをいただきました Z125 PRO と Z250SL の発売が決まりました。
▼新発売モデルを含む製品ラインナップはコチラhttps://t.co/bxa7DDL6NK— カワサキモータースジャパン (@Kawasaki_JPN) 2016, 2月 1
ツイッターのTL(タイムライン)に流れてきた、カワサキのツイート。
オートバイを降りたとはいえ、元バイク馬鹿のRockman!
ちょっと気になるので、リンクをクリックしてみました。
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んッ!?
34万5,600円?
43万7,400円!?
(・ω・`;)??
なんだ!?
この妙な感覚は・・・。
125ccのバイクが35万円ていどで買えることに猛烈な違和感を感じます。
35万円と言えば、ロードバイクのミドルクラス入り口・・・。
「30万~50万円台のロードはコスパいいお!」
11月のブログで、そんな内容のエントリーを書きました。
125ccのバイクといえば、クローズドコースで100km/hオーバーもたやすいクラス。
アクセルひと捻りで誰でもカッ飛べます。
片や素人レベルで30km/h巡航がやっとのロードバイク。同等の価格というのが納得できません(笑)
( ゚∀゚).。oO(自転車基準で考えるとZ125PROは倍の値段でも安いぞい)
35万円で買えるロードバイク
- ジャイアント TCR ADVANCED PRO1
(35万円) - メリダ SCULTURA6000
(34万9,000円) - トレック EMONDA SL6
(35万1,852円) - キャノンデール SUPERSIX EVO
(32万円) - ピナレロ GAN
(32万5,000円) - コルナゴ AC-R105
(31万円) - デローザ Nick
(32万9,000円)
35万円出せば、有名メーカーのロードバイクが選びたい放題!
やはり、このクラスは良いですな♪
(・∀・)イイ!!
特にジャイアントのTCR ADVANCED PRO1はバーゲンプライス。
22万円のフレームに15万円のカーボンホイールつき。アルテグラ組の完成車が35万円ぽっきりなんて、もはや意味が分かりません。
いやぁ~ミドルクラスのロードバイクはお買い得ですな(白目)
( ゚д゚).。oO(ジャイアント ホスィ…)
ロード乗りが35万円の値付けに違和感を感じるもの 感じないもの
- 35万円の時計 ←分かる
- 35万円のカメラ ←分かる
- 35万円のオートバイ ←ファッ!?
なぜなのかwww
オートバイも自転車もタイヤ2つの乗り物。
しかし、移動手段という本来の目的からすると、両者の性能差はあきらかです。
- より速く
- より楽に
- より遠くへ
外部からエネルギーを取り込んで、何時間でも走り続けることができるオートバイ。人力が動力源のロードバイクでは、勝ち目がありません。
なのに
な・の・に!
100km/hというスピードが簡単に出せる機械のお値段が35万円!?
使用目的が異なるとはいえ、これは納得いかんのです(笑)
ロードバイクとオートバイの価格差の要因
- 市場規模
- ロードバイクという単語が免罪符
ロードバイクとオートバイの価格差は、市場規模による差が大きな要因と考えられます。
全盛期の1/6に縮小したとはいえ、オートバイの国内需要は年間42万台。
世界シェアの約半分を占める国内メーカー4社をようする二輪業界。マーケット規模が小さいワケありません。
市場規模の差
「スポーツ自転車」と「オートバイ」の市場規模(金額ベース)をグーグル先生に聞いても、正確に比較できる資料が見つかりませんでした。
とはいえ、推測できる参考資料はあります。
「矢野経済研究所」「業界動向SERCH.com」のデータによると…
・サイクルスポーツ用品の国内市場規模:400億円
・オートバイ国内4メーカー合計売上高:3兆1806億円
両者を単純比較するのは金額を構成する要素に大きな違いがあるため、適切ではありません。
しかし、傾向は分かります。
サイクルスポーツ用品の市場規模は、クルマやオートバイと比べると話にならんほど小さい!
これは、紛れも無い事実でございます。
もし高価格帯のスポーツ自転車が月に数万台売れるようになれば、今とは比べ物にならない価格でロードバイクが購入できるようになるでしょう。
参考
矢野経済研究所:スポーツ用品市場に関する調査結果 2015(リンク切れ)- 業界動向SERCH.com:二輪車・バイク業界
ロードバイクという単語が免罪符
現在、ロードバイクという単語は、高くても納得してもらえるマジックワードとして成り立っています。
このことが、価格を高くしている一つの要因と言えなくもありません(笑)
- ロードバイクのブレーキだから
- ロードバイクのベアリングだから
- ロードバイクのフレームだから
ロードバイクという単語を入れれば、なんぼ高価でも免罪符になります。
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例えママチャリに精度の高いパーツを組み込んだとしても、誰も買ってはくれません。
何せ、「ママチャリ=1万円」と思っている方が大多数なので。
ところがッ!
高性能の「ロードバイク部品」を開発し、市場で認められれば、「沼」の住人たちは高くても喜んで買ってくれます(笑)
「軽くて精度が良いパーツ」
↓
自転車沼の住民が喜ぶ(^q^)
↓
「さらに軽くて高精度なパーツ」
↓
自転車沼の住民が喜ぶ(^q^)
このスパイラルが続くことにより、自転車クラスタはいつしか茹でガエル状態。
Lightweight(ライトウェイト)のホイール価格に疑問を感じなくなります。
( ゚∀゚).。oO(ライトウェイトのホイールなら80万円でも仕方ない!)
まとめ
結局のところ価値基準は人それぞれ。
興味がない分野の商品には、千円の価値も見いだせないのが人でございます。
ちなみに、洋服は相手に不快感を与えないていどに小奇麗なら良いと思っているワタクシ…。
ユニクロの1,500円Tシャツですら、高いと思ってしまいます。(ただし、高級サイクルウェアは欲しいw)
異なる「沼」の住人同士が、それぞれの価値観を理解できないのは当然!
だって、興味がないんだから
お互いの価値観に違和感を感じてディスり合うと戦争になります。
「よく分からないけれど、お前さんが良いならいいと思うよ」という感じに相互不可侵の関係が、お互いに平和でいられる秘訣ではないでしょうか。
とは言え、ロードバイク大好きな自転車クラスタは、価値基準の中心がロードになってしまうのは仕方ありませんwww
本エントリーを書き終えつつあるこの瞬間でも、125ccのバイクが安すぎると感じます。
ZX-10Rの180万円という価格設定も、ロードバイクのハイエンドモデルと同等。なので、やはり激安に感じます(笑)
乗り物に関して、一般的価値基準と剥離している自転車クラスタの「業」は深い!
そう感じざるお得ないRockmanであります。
( ゚∀゚).。oO(「カネ」の話だと西原さんの本はとても良かった。「カネがない」という負のループから抜け出すための参考書として、ぜひ読んで欲しい一冊じゃわ)
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コメント
私としては、高速道路の壁を越えられる250が50万円未満で買える方が魅力的ですねぇ。
でも、モーターサイクルは自転車に比べて、免許の壁が大きいかな?
モーターサイクルの世に熱あれ。二輪間に光あれ。
>ひーこさん
高速道路の使用が前提であれば250ccは良い選択ですね。
125ccは自動車保険の特約(任意保険)が使えるところに魅力を感じます。
半径100km圏内のプチツーリングなら十分使えそうです。
二輪に興味があっても「免許取得」がネックになりますよね~。
業界団体が規制緩和の陳情をしていると思いますが、何も改善されませんからねぇ・・・。
何にせよ、2輪業界にはもっと潤って欲しいですな。