【前回のおさらい】
- ロードバイクの洗車は整備行為
- 雨の日に乗ったら必ず洗車をする
- 洗車アイテムは課金するほど作業が楽になる
- 狭い場所の洗浄は百均の『筆』を使うと超便利♪
- スプレーワックスでフレームをコーティングしよう
ざっくり箇条書きにすると、こんな内容のエントリーでした。
今回は予告した通り、ロードバイクの洗車講座 第二弾!!
前半では、洗車の後に欠かせないメカニカルパーツ(摺動部分)の注油。
後半では、「リム」と「ブレーキシュー」の調整について書いてみようと思います。
ロード初心者の方は、「あ~こんな感じなのねぇ~」と思っていただければ幸いです!
( ゚∀゚).。oO(洗車後の注油は水置換オイルを使うんじゃよ!)
注油と研磨で滑らか動作!安全に乗れるロードバイクの仕上げ方
人力というエネルギーを動力として認めるのであれば、自転車は立派な機械。
構成する部品が滑らかに動かなければ、エネルギーロスは大きくなってしまいます。
(設計通りの性能が発揮できない)
そのため、潤滑が切れてしまった可動パーツの支点には、絶対に注油が必要です!
さらに、運動エネルギーを熱エネルギーに変換して物体を停止させるブレーキシステムは、リムとシューが接する面を整えた方が良いのは言うまでもありません。
まぁ、何が言いたいのかというと・・・
ぬるぬる動いて、シャキッと止まるロードバイクに仕上げようゼ!ということであります(笑)
( ゚∀゚).。oO(シャキッ!と走るロードバイクは超・気持ち良い♪)
洗車後の注油
洗車後の注油で重要なのは、水置換性のオイルを使用すること。
ワコーズの「ラスペネ」、「ナスカルブ」、「AZ 極圧・水置換スプレー」あたりが有名ですね。
「水置換」という単語に聞き覚えがない方もいるでしょうが、この特性は読んで字のごとし!
金属表面に付着した水分を油に置き換えてしまう潤滑油を指します。
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通常、濡れた金属面に潤滑油を塗布しても、油は金属面に届きません。
(油の比重が水よりも小さいため)
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一般的な潤滑油が金属に届かないのは比重の問題ではなく、水分子の『極性』によって金属分子と結合するためというご指摘をいただきました。
金属と水が接している状況は、腐食(サビ)の進行が早まるのでメチャクチャ良くない!
(・A・)イクナイ!!
そこで、金属と水との境界面に入り込むオイル(水置換オイル)を注油することで、酸化反応が進む前に金属表面を保護してしまうという寸法です。
(; ゚∀゚).。oO(界面活性剤によって水置換の特性を付与しているんだけど、なぜちょっとしか乳化しないんじゃろ??教えて偉い人!)
注油で使う道具
- ワコーズ ラスペネミニ
- SCOTT Shop Towels
- [円陣家至高] CPO[R] チェーンオイル
- パーツクリーナー
- 百円ショップの注射器
注油で使用するアイテムは、上の5点。
青色のショップタオルは、使い古しのTシャツを切ったもので代用しても全く問題ありません。
Rockmanの場合、チェーンにドライタイプのオイルを使用するため百円ショップの注射器が必要になりますが、スプレータイプのチェーンオイルを塗布する場合は必要ありません。
ここら辺は自分のスタイルに合わせて臨機応変に道具を変えてみてください。
可動部品への注油
- RP-L ラスペネ (A120)
- RP-C ラスペネ (A121)
- RP-M ラスペネ・ミニ (A123)
Rockmanが注油の際に愛用している水置換オイル ラスペネには、三つの種類があります。
パッケージは微妙に違いますが、ハッキリ言って見分けがつきませんwww
今回使うのは・・・
A123のラスペネ・ミニ
- フッ素配合
- 浸透性良好
- 持ちやすいサイズ
- どんな角度でも噴射可能
(逆さ噴射OK) - 霧状で噴射量をコントロールしやすい
Rocmanがラスペネ・ミニを愛用している理由は、これら5点。
手に持ちやすいサイズで噴射量のコントロールがしやすいA123は、おれらのような素人にピッタリなのであります。
ちなみにラスペネは、自宅の水回りのメンテナンスやドアの潤滑剤としても優秀なので、一家に一本あっても損はありません。
( ゚∀゚).。oO(業務用のA121はラスペネミニと同じ成分なんだけど、缶が大きくて霧状に噴霧されない仕様だから使い勝手に難あり!ちなみにA120はフッ素が配合されていないのでちょっとお安いw)
チェーン
洗車によってピカピカになった、CN-7901の10sチェーン。
デュラエースのグレードだけあって全面にジンクアロイ処理が施されていて、サビは発生しにくい!
しかし、潤滑切れの状態はマズいので、ちゃっちゃとラスペネを塗布します。
( ゚∀゚).。oO(できるだけ水気を拭き取ってね)
プシャーwww
チェーン内側に向かってラスペネ噴射!
チェーンをくるくる回すと遠心力によってオイルは内側から外側に流れるので、チェーンステー下側に向かってオイルをぶっかけましょう。
この時、ホイールのリムやタイヤに油が付着すると大変マズいので、ウエスでガードするのが鉄則です!
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余分な油を拭き取ったら半日から一日放置。
その後、メインで使っているドライタイプのチェーンオイルを注射器で1コマずつ注油すれば完了です。
↑↑
洗車した後ならパーツクリーナーによるチェーンの洗浄はいらないので、そこんところヨロシク。
( ゚∀゚).。oO(チェーンに限って言えば、ラスペネを使わずにチェーンルブ(水置換)で作業工程を短縮するのも有り!ラスペネは浸透性こそ良いけれど極圧環境での定着性は劣るので、チェーンオイルとして使うのは微妙。オレはあくまで水気を除去するためのオイルとして使っているよ)
ブレーキキャリパー
次は、ブレーキキャリパー可動部分の支点へ注油。
まず、タイヤにウエス(SCOTT Shop Towels)をかけて回転させます。
この時、ブレキーは開放してクリアランスを確保してください。
写真のように、ブレーキアーチとタイヤのすき間にウエスが入り込めば準備完了です。
(油をリムやタイヤにつけないため)
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注油する箇所は、2つのピボット摺動部分。
そして、ブレーキワイヤが該当します。
矢印の2箇所がピボットの摺動部分。
ブレーキレバーをニギニギして、どこが支点となって動いているか観察してから注油しましょう。
ブレーキワイヤーの2箇所。
ブレーキキャリパーアジャスター付近。
そして、インナーケーブル固定ボルト付近に注油します。
( ゚∀゚).。oO(リアブレーキも同じようにね)
ディレイラー
お次はディレイラー。
パンタグラフのリンク部分に注油して行きます。
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【フロントディレイラー】
【リアディレイラー】
オイルが必要な箇所は、リンク部分のみ!
それ以外に付着したオイルは汚れを寄せつけるだけなので、ウエスやめん棒などで拭き取って下さい。
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【プーリー】
105以下のプッシュタイプのプーリーには、上下とも軸部分に注油が必要です。
(プッシュタイプは注油が必要でシールドベアリングは注油の必要なし)
アルテグラのプーリーは、ガイドプーリー(上)がシールドベアリング。
テンションプーリー(下)がプッシュタイプ。
よって、下にあるテンションプーリのみ注油してください。
デュラエースはどちらもシールドベアリングなので、注油の必要はありません。
( ゚∀゚).。oO(キメラさんはDi2コンポなのでシフトケーブルの注油は省略したけど、機械式コンポを使っている方はブラケットのワイヤー部分やBB下のケーブルリード、アウターストッパー付近のワイヤーにも注油するんだよ)
アルミリムの研磨とブレーキシューの調整
雨の日にロードバイクで走行すると、リムやブレーキシューにも良くない影響があります。
それは、異物の噛み込み!
路面から巻き上げられる雨水には、砂粒や金属片がよく混じっています。
それがリムとブレーキシューの間に挟まってしまうと、どうなるでしょうか??
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異物がアルミリムをガリガリ削り、レコード盤のような溝を刻んでしまいます。
こうなってしまうと、制動性の悪化や異音の原因となるので、表面を研磨して面だしする必要が出てきます。
リム研磨とシューの調整で使う道具
- マヴィック WHEEL アブラシブ ラバー
- ブレーキクリーナー
- 400番の紙やすり
- 0.5mm厚のプラスチック板
研磨と調整に使用するアイテムは、上の4点。
この項目では、アルミリムの研磨に使用するラバー砥石(アブラシブラバー)がキーアイテムとなります。
ホイルメーカーのマビックが販売するアブラシブラバーは、一種の砥石。
とは言っても包丁を研ぐような硬いものではなく、消しゴムに研磨材を練り込んだ「砂消しゴム」のようなものを想像すればいいでしょう!
これでアルミリムを研磨すれば、驚くほど表面がキレイになります♪
( ゚∀゚).。oO(コスパ重視ならマビックではなく、ホーザン ラバー砥石でも大丈夫だよ)
アルミホイールのリム研磨
洗車・注油・ワックスがけ終了♪
後はマビックの消しゴムでリムを研磨してブレーキシューの面を整えれば完了じゃ!(・∀・) pic.twitter.com/zVBjR5EMKh— ロックマン (@Xbody_Rockman) 2016年8月26日
というワケで、リムの研磨をやって行きましょう!
( ゚∀゚).。oO(レッツ・トライ!)
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異物の噛み込みで溝ができてしまったアルミリム。
指で触ると、表面がざらついているのが分かります。
まずは脱脂したいので、パーツクリーナーを塗布したウエスでリム表面を拭きます。
リム表面を脱脂したら、研磨開始。
アブラシブラバーを水で濡らしてリムの表面に当て、ホイールを回転させます。
強く押し当てる必要はないので、軽めに接触させればOKです。
この時、黒い削りカスが床に散乱するので、メンテナンスシートは必須ですゼ?
(; ゚∀゚).。oO(新聞紙でいいから敷いておこう!じゃないと嫁さんにシバかれるよwww)
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見よ!この輝きを!!
研磨が終わったアルミリムが上の通り。
超・ピカピカです。
さっきまであった、レコード盤のような溝が綺麗サッパリなくなっているのが誰でも分かりますね♪
さぁ!あなたのアルミホイールもアブラシブラバーで、レッツ・ピカピカ。
( ゚∀゚).。oO(前輪はロードバイクを上下ひっくり返して作業すると楽だよ)
ブレーキシューの面調整
リムの面を整えたら、やっぱりブレーキシューもやらなきゃ気持ち悪い!
というワケで、今度は400番の紙やすりを使ってブレーキシューの面を整えて行きます。
面を整えるだけなら、金属ホルダーごと外す必要はありません。
しかし今回は、シューにトーインをつけて「なき鳴き防止」と「制動性の向上」を狙うので、ホルダーごと外します。
( ゚∀゚).。oO(シューホルダーは4mmのアーレンキーで外せるよ)
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前輪に取りつけてあったブレーキシュー。
リム同様に横溝が刻まれており、赤丸印の部分には金属片がッ!
この状態ではブレーキをかけるたびにリムに傷をつけてしまうので、安全ピンでほじくり出しましょう。
【Before】
【After】
金属片は除去したけれど、シューは凹んだまま・・・。
しっかりとヤスリをかけて、リムと接する面をキレイにして行きます。
使用する紙ヤスリは、400番目。
これより荒い番手で作業を行うとシューの表面が痛むので、おすすめできません。
紙ヤスリは、なるべく平らな台に置き、ブレーキシューの表面を削って行きます。
この時、シューを往復させるのではなく、必ず同一方向に動かすのがコツ。
2~3回削ったら表面を確認し、シューの当たり面がなだらかになるように整えます。
(耐水ペーパなら水を少量つけて削るとなお良し!)
上の写真がシューの表面に当たりをつけたものと、つけてないもの。
どっちがどっちだか分かりますよね?
( ゚∀゚).。oO(ブレーキシューを削る際に往復させると、力のかかり具合いが均等にならない場合が多いんだよね・・・だから同一方向に動かす必要があるのだ)
トーインの調整
ブレーキシューのトーインとは、進行方向に向かって前が内側にくるように若干の角度をつけてやる方法。
これは主にブレーキの音鳴り(鳴き)を防ぐために行います。
(制動力向上の意味もある)
やり方は簡単!
厚さ0.5mmのプラスチック板を後ろ側のシュー1ブロック分だけに挟み、ブレーキレバーを握ってシューホルダーを固定するだけです。
(前輪後輪とも同じ方法)
0.5mmのプラスチック板は、ホームセンターで数百円で購入可能。
使いやすいサイズにカットして使いましょう。
プラ板買って加工するのが面倒!もっと簡単にトーイン調節できるアイテムはないのか?という方向けに「ブレーキシューチューナー」という便利グッツもあります。
ブレーキシューとリムの間に本商品を挟み込み、シューを固定することで簡単にトーイン調整ができるようです。
Rockmanは使ったことがありませんが、Amazonの評価を見る限りでは良さそうですね。
ちなみにシューホルダーの固定ボルトは、5~7Nmで固定する必要があるので、トルクレンチを使ってしっかり締めた方が良いですよ!
まとめ
2回に分けてロードバイクの洗車方法について書いてみましたが、いかがだったでしょうか?
ロードバイクの洗車方法は千差万別!
我らがクリリン(栗村 修さん)によれば、洗車ネタだけで本が1冊書けるようです(笑)
必ずしもRockmanのやり方が正しいというワケではないので、自分なりの方法を見つけて貰えたら良いなと思っています。
今回は雨天走行後ということ・・・
そして、ブログのネタ書きのためにしっかり洗車しました。
しかし、いつもこんな調子で洗車などしません!
ライド中に雨さえ降らなければ、かなり適当ですw
需要があるかどうか分かりませんが、機会があれば「適当洗車」のネタも書いてみようかと思っているRockmanであります。
( ゚∀゚).。oO(ロードバイクの洗車方法や整備方法を詳しく知りたい方は、下の本を参考にすると良いよ)
コメント
[…] 参考:ロードバイク洗った後は注油と研磨!洗車後の機械メンテナンス指南 | X-body 好奇心で人生を楽しむ! […]
ワイヤーへのCRC吹き付けはやってたけどキャリパーの可動部分はやってなかった(-_-;)
リムの研磨やシューの当たりって自信ないし道具揃えるのも面倒たけどショップで頼めるものなのかな?(-_-;)
>カディエ先生 様
ブレーキキャリパーの摺動部分にも潤滑剤を使ってみてください。
レバーを引いた際のフィーリングが変わるかも知れませんよ♪
リムの研磨やシューの当たり調整は、作業依頼すればやって貰えると思います。(・∀・)
通常、油が水に阻まれてパーツに付かないのは比重の問題ではなく、水分子には極性があるから金属分子と緩く結合するためです。
水置換は分子の構造を工夫することによって、分子内の一部の極性を水より金属と結合しやすいようにしたものです。取り扱いが簡単でウェットな環境でも潤滑を維持できるという利点がありますが、ドライ環境ではドライ系のものに比べ潤滑性能がやや落ちるという欠点もあります。
> たかにぃ 様
ご指摘、ありがとうございます。
通常の潤滑油が水に阻まれて金属パーツに届かない理由は、水分子の極性によって金属分子と結合するためでしたか!
うろ覚えですが、「電気陰性度」は高校の化学で習ったような気がします。
化学知識の不足を露呈してしまったので、勉強をやり直したくなってきました(笑)(;´∀`)
ブログの内容と関係ないのですが、行って来ました、ローカルmtbレース。いや~きつかった~。コースは前半に芝(スキー場なので)後半にダートとシングルトラックで、3時間耐久のソロで参加。芝坂きっつ!脚攣りまくり、なんとか走り切りました。結果はクラス23人中6位、総合40チーム中15位でした。レース後はジンギスカン食べ放題で、消費カロリーを摂取カロリーが超えた事は言うまでもない。思ったほど汚れなっかたけど、掃除、メンテの仕方、参考にしてみます。チェーンやディレイラー、BB周りなんかは、一緒なんで。
> takuzo 様
MTBレース、お疲れ様でした。
クラス6位とは凄いッ!おめでとうございます。
レース終了後の打ち上げは楽しいものです♪
オーバーしたカロリーはまた走れば良いだけです(笑)
楽しく走って、美味しい食事にありつくのが一番ですね。(^^)